テスラといえば電気自動車のイメージが強いけど、「そもそもなんでテスラっていう名前なの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。実は、テスラ(Tesla, Inc.)の社名には、19世紀から20世紀にかけて活躍したある天才発明家へのリスペクトが込められています。今回は、テスラの名前の由来と、その名のもとになった科学者ニコラ・テスラの生涯や偉業を、できるだけわかりやすくまとめてみました。
テスラの名前の由来は?
テスラ(Tesla, Inc.)は2003年7月、エンジニアのマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングによって「テスラモーターズ」として設立されました。そのテスラの名前の由来は、セルビア系アメリカ人の発明家・電気技師、ニコラ・テスラ(Nikola Tesla)です。創業者自身の名前ではなく、電気の歴史を塗り替えた偉大な人物へのオマージュとして名付けられたというのが、なんともかっこいい由来だと思いませんか。
社名に込められた意味
テスラという言葉はもともとセルビア語で「木工用の手斧」を意味する単語ですが、電気自動車メーカーとしてのテスラはあくまでニコラ・テスラへの敬意から取られた社名です。また、テスラが掲げる「持続可能なエネルギーへの移行」というビジョンは、交流電力の普及に生涯を捧げたニコラ・テスラの精神と重なる部分が多く、単なるネーミング以上の意味合いがあると感じます。ちなみに2017年には、太陽光事業への参入を背景に社名を「テスラモーターズ」から「テスラ」へ変更し、現在に至ります。
科学者ニコラ・テスラとは?
ニコラ・テスラは1856年、現在のクロアチア(当時のオーストリア帝国)に生まれたセルビア系の発明家・物理学者・電気技術者です。オーストリアのグラーツ工科大学で電気工学を学んだ後、1884年にアメリカへ渡り、まずはトーマス・エジソンのもとで技師として働き始めます。
エジソンとの「電流戦争」
エジソンが直流電流(DC)にこだわっていたのに対し、ニコラ・テスラは交流電流(AC)こそが長距離送電に適していると確信していました。両者の意見は真っ向から対立し、テスラはエジソンのもとを離れて1887年に独立、ウェスティングハウス社と手を組んで交流送電システムの実用化を進めます。この「電流戦争」と呼ばれる争いは、最終的にテスラ側の交流方式が勝利を収め、今日の家庭用コンセントに流れる電気は交流であることからも、ニコラ・テスラの功績がいかに大きかったかがよく分かります。
ニコラ・テスラの主な発明と功績
「テスラコイル」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。これは高電圧の交流を発生させる装置で、無線通信技術の礎になったものです。ニコラ・テスラはこれ以外にも、交流誘導モーター・ラジオ通信・蛍光灯の前身となる放電管・ワイヤレス電力伝送の実験など、現代技術の根幹に関わる発明を数多く残しています。
交流モーターの発明がEVに与えた影響
ニコラ・テスラが1888年に発表した交流誘導モーターに関する論文は、電気機械の世界を大きく変えた論文として今も評価されています。電気自動車テスラのモデル3やモデルSに搭載されている交流モーターは、ニコラ・テスラが発明した誘導モーターの原理を受け継いでいます。つまり「テスラに乗る」ということは、テスラの名前の由来となった科学者の発明をそのまま体感していることでもあるわけです。
ワイヤレス送電への夢
ニコラ・テスラが晩年まで追い続けたのが、電線を使わない「ワイヤレス電力伝送」の実現でした。1896年から実験を重ね、ニューヨークの研究施設では近隣住民が地震と勘違いするほどの振動を起こしたというエピソードも残っています。今日のスマートフォンやEVのワイヤレス充電技術は、まさにこのニコラ・テスラの夢が少しずつ形になっているものと言えるかもしれません。
ニコラ・テスラが現代に与えた影響
輝かしい発明の数々を残したニコラ・テスラですが、その晩年は必ずしも恵まれたものではありませんでした。資金難や投資家との関係悪化が重なり、多くのプロジェクトが未完に終わり、1943年にニューヨークのホテルで孤独に亡くなっています。しかし、彼の研究と発明は死後も高く評価され続け、磁束密度の国際単位「テスラ(T)」にもその名が使われているほどです。
イーロン・マスクとニコラ・テスラの関係
テスラ社のCEOとして知られるイーロン・マスクも、ニコラ・テスラを尊敬する人物のひとりとして語っています。フォーブスの記事でも「現代のエネルギー文明の多くはテスラの研究なしには存在しなかった」と紹介されているように、彼の影響は電気工学の枠を大きく超えています。電気自動車メーカーが「テスラ」を名乗ることで、その精神を未来へ受け継いでいるというストーリーは、ブランドとしてもとても魅力的だと感じます。
出典:世界の偉人達
テスラのロゴにも由来がある
テスラの「T」のロゴ、ただのアルファベットだと思っていた方も多いのではないでしょうか。実はこのロゴ、電気モーターの断面図をモチーフにデザインされているといわれています。テスラという名前の由来からロゴのデザインまで、会社のあちこちにニコラ・テスラへの敬意が込められているのは、テスラファンとしてなんだかうれしくなる話です。
まとめ
テスラという名前の由来をたどると、交流電力の父・ニコラ・テスラという一人の天才発明家の生涯が見えてきます。1856年に生まれ、交流モーターやテスラコイル、ワイヤレス送電といった現代技術の礎を作り、1943年にその生涯を閉じたニコラ・テスラは、今も電気自動車メーカー「テスラ」の名前と「T」ロゴの中に生き続けています。テスラという科学者への理解が深まると、電気自動車に乗ることの意味も少し違って感じられるかもしれません。テスラのオーナーもこれから購入を検討している方も、ぜひその名前の背景をちょっと頭の片隅に置いておいてもらえたらうれしいです。
